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知ろう!学ぼう!

69の会(ロックの会)- 動物愛護

先日ブリオは、「69(ロック)の会」を取材させていただきました。「69(ロック)の会」は、3.11以降に松田美由紀さんが発起人となり 結成された会です。これまで環境問題、原発問題などさまざまなテーマを考えてきたこの会は、なんと今回で31回目。

6月には会を発足して丸3年を迎えます。「動物愛護」がテーマの今回は、女優の杉本彩さんとアニマルライツセンターの長井さんをゲストでお呼びし、発起人の松田美由紀さんと岩井俊二さんとの対談で会が進められました。

69の会(ロックの会)- 動物愛護

松田美由紀さん
3.11以降、この会は原発問題を中心に続けられてきました。この3年間で社会情勢は果たして良いほうに向かっているのか疑問を感じる中、私達は多くのことを「知る」ことで的確な選択肢を得られることができるのではないでしょうか。
さっそく杉本彩さんにお話しを伺います。

「大きな力、大きな声」で成熟した動物福祉環境の実現を

杉本彩さん : Eva(エヴァ)
財団を設立してからまだ数ヶ月ですが、個人の動物愛護活動は20年以上に及びます。もともと私は、野良猫や捨て猫問題に直面し地域猫活動から始めました。
活動を続けていくうちに、繁殖場の崩壊で動物たちが無残に放置されていく事件が全国で多数起きていることを知りました。そしてそのような問題がなぜ発生するか原因を追求していくうちに、日本の動物をとりまく環境が大変未熟で、問題が山積していることを知りました。そして気づいたらその事実から目をそらすことができなくなり現在にいたります。
私は、社会貢献せずに芸能人である必要はないのではないかという考えのもと、この活動を自分の人生の軸として、私がこの世に生を受けている限り、全力で取り組んでいけたらと思っています。
当財団は、私が個人で活動していた延長線上にあるわけですが、まだまだ日本の社会では、動物の命の尊厳が守られてなく動物愛護が未熟な状態です。ですので動物愛護精神の向上を目的とした啓蒙啓発活動が大切で、まず初めに当財団ができることと思い、各地で啓蒙啓発活動の講演をさせていただいてます。
そして私が一番引っかかる問題は、様々なところで起きている動物虐待事件です。動物虐待というのは、普通の家庭の中でも起きています。みなさん周知の事実ですが、動物を殺傷する人は、その延長に人を傷つける凶悪犯になりえます。人を守るという意味でも、動物虐待の段階でしっかり取り締まることが重要ですので、日本の社会においてアニマルポリスの設置は急務です。
アニマルポリスというのは、動物虐待を監視・摘発する公的機関です。まず私の地元である京都で実現させるため、署名を集めさせていただきましたが、なかなか想像以上に困難でした。と当時に、兵庫県でアニマルポリスの講演などをさせていただいた結果、京都より先に兵庫県で、アニマルポリスホットラインという窓口の設置が今年1月からはじまりました。私たちが理想とするような形には、まだまだ機能していないことは事実ですが、アニマルポリスの第一歩としてスタートさせてくださったことを、高く評価したいと思います。そして日本全国にアニマルポリスが広まっていく活動をしていきたいと考えています。
松田美由紀さん
岩井さんは動物問題に関してどういったお考えをお持ちですか?
岩井俊二さん
実は去年、2匹の猫を里親として迎えましたが、
天性のしぐさをされると可愛くてたまらない気持ちになります。
どうしてこんな可愛い生き物をいじめるんだろうと思います。
僕は子どもの頃から猫に縁があり、捨て猫を拾ったりしていました。
杉本彩さん : Eva(エヴァ)
嬉しいですね。まだまだ芸能界では、ペットショップで購入することが当たり前という意識の方が多く、なかなか里親になる選択がされないことがとても悲しいです。
岩井俊二さん
以前テレビで、アメリカのアニマルポリスのドキュメンタリーを見ましたが、おまわりさんが、虐待されている動物を飼い主から引き取り保護をするといった内容でした。
杉本彩さん : Eva(エヴァ)
日本では家庭の中で虐待を受けている動物の飼い主に対し、所有権を剥奪する強制力がありません。虐待している人が「分かりました。手放します。」と言わない限り、強制的に奪うことができません。動物虐待が犯罪とされているにも関わらず、すみやかに取り締まることができない法律の壁と、法律が機能していない現実があります。法律を機能させる条例が必要だと感じます。
松田美由紀さん
ペットショップがあまりよろしくないというのは、何となく耳にして分かってはいるつもりですが、いわゆる野良ではない子と出会いたい場合、ペットショップに行くしかないとみなさん思いますが、生体を展示して販売することはそもそもなぜ問題なのでしょうか。
杉本彩さん : Eva(エヴァ)
消費者が動物を購入する前に、その種について色々説明する義務がありますが、それをしなくても具体的なペナルティーはありません。結局ペットショップはビジネスなので、売りたいがために「やっぱり買うのやめます」と言われるような飼育の難しさや手間や苦労についての説明がされないために消費者の安易な衝動買いへとつながります。
例えば犬ならば、その犬種について具体的に学ばなければならないことが義務化されてないことが問題です。
欧米では、欲しい犬種の専門ブリーダーのもとへ半年から1年間通い、その犬種について学びしっかり準備をして迎えます。
日本は固有のペットビジネスのスタイルがあるため、無知のまま動物を迎えしつけができないからと言って安易な飼育放棄につながる問題になります。
それとペットショップに並ぶまで、犬や猫が利益のため繁殖場で大量に生産されているという現実です。お金をかけず劣悪な環境で、整った管理もないまま生産されます。そして薄利多売の商売で沢山生産された犬猫をオークションで安価な金額で仕入れます。
ペットショップに陳列させるということは、生産流通過程で犬猫を苦しめること、そして本来ならば子犬が母親や兄弟達と社会化を学ぶ大事な8週齢の時期に、ぬいぐるみのように可愛いいから売ってしまえとそういう考えがあります。犬は大事な時期を奪われ社会化されずに消費者の手に渡るため、いざ飼ってみるとしつけなどさまざまな問題が起き、結果これも飼育放棄へとつながることになります。
松田美由紀さん
改善されればペットショップという職業はありでしょうか?
杉本彩さん : Eva(エヴァ)
ペットショップをやめてくださいと規制することは難しいと思います。ヨーロッパでは、ペットショップで生体販売をするなら最低でも生後8週齢までは並べないとか、一頭につき最低これだけのスペースを設けるとか、犬だったら最低限これだけ散歩させなくてはならないなど、非常に厳しい規制とルールが設けられています。福祉を考え規制を守っていると結局ビジネスとしては、全くうまみがないので、長い期間をかけて生体展示販売が淘汰されていったという歴史があります。日本もそういった厳しい規制を設ける必要があります。
ある崩壊直後の繁殖場は、プレハブ小屋で温度管理もされていないところでした。中は清掃もされてなく、大量のゴミの山の不衛生な環境です。多数の小さな檻の中に、繁殖用の犬が入れられています。もはや犬種の判別もつかないくらいに伸びた汚れた毛でおおわれています。
繁殖犬は、小さな檻の中で一生を過ごします。可愛がって優しくなでられることもなく、外で遊ばせてもらうこともなく、ただ一生を小さな檻の中で命が終るまで過ごすという非常に残酷な状況です。
私の家には繁殖場にいた犬が3匹います。繁殖場では目や毛に輝きがまったくありませんが、保護されて家庭に入り愛情を受けると、次第に目に輝きを取り戻します。このように犬や猫も私たち人間と同様に感情があるものです。
人間のパートナーである犬や猫がこのような状態にあることは耐え難いことです。

© 財団法人動物環境・福祉協会Eva

杉本彩さん : Eva(エヴァ)
実際どのように生産され流通し、店頭に並んでいるかという事実を知り、もし動物と暮らすならばぜひ保護施設から引き取るという選択をしていただきたいと思います。
実際生体販売をやめたら続けていけないペットショップもあるかも知れません。しかしせめて命を扱うのなら命に対するモラルを守って欲しいと思います。これからの社会に生体販売は時代遅れではないでしょうか。今後家庭での犬や猫は高齢になります。
そういった高齢の動物福祉にはビジネスチャンスはまだまだあると思います。
松田美由紀さん
今後の活動について教えてください。
杉本彩さん : Eva(エヴァ)
これまでシンポジウムの講演や政治家の方々に色々訴えてきましたが、あくまでもそれは個人での活動でした。個人の活動の限界を感じていたため、「大きな力、大きな声」をもって訴えていく必要があり組織にしました。今後は当財団だけでなく、色々な団体と横のつながりを持ち「大きな力、大きな声」で法改正などを訴えていきたいです。
また財団として保護施設の建設を目指したいと思っています。

人間の管理下におかれた動物の擁護活動を

アニマルライツセンター 長井英明さん

アニマルライツセンターは、1987年に神奈川と東京のメンバーを中心に、日本の支配下におかれた動物の擁護活動を目的として立ち上げられた団体です。犬猫の問題は、SNSなどで多く見聞きされると思いますが、なかなか畜産の飼育方法問題や、毛皮の問題、動物実験などは表にでてきません。
動物がどういう状況に置かれているかということを、広くみなさんに知っていただくために日々施行錯誤を重ねながら活動しています。みなさんにもそういった問題をぜひ深く理解していただき、消費行動をする際に、このような商品を選ぶことはよくないことだと感じていただきたいと思います。

フォアグラの生産方法

フォアグラは、主にフランスやハンガリーで生産されます。メスはフォアグラにむかないところから、だいたいヒナのうちに殺処分されます。
最初の3ヶ月程度は平飼いで過ごしますが、その後は約3週間オリに閉じ込め、「強制食餌」という空腹でないのに無理やり食べさせる飼育方法が行われます。オリに閉じ込めるのは、給餌作業をしやすくするためです。
のどに鉄パイプのようなものを差し込み、直接胃にガバージュというものでペーストを流し込みます。餌を与える係りが現れると、鳥はそれが嫌で首を引っ込めるしぐさをしますが、次第に自分の体重が増え柵から首を引っ込めることができなくなります。
ガバージュの給餌飼育は、鉄の棒でのどを痛めたり内臓を痛めるため、通常より20倍の死亡率で死に至ります。
これは肉食文化を批判するのではなく、飼育方法が問題だということです。
稀なケースでは、通常放し飼いにし、年に一度の渡りの時期になると餌を大量に溜め込む習性から、肝臓が太った時に合わせて生産するということもあります。そのような方法であれば問題ではなく、「強制食餌」という方法が非倫理的ということです。

フォアグラの生産方法

採卵鶏のバタリーケージについて

本来鶏は、朝起きると朝日を浴びて周囲を散策したり、羽を広げ毛づくろいをする生き物です。ですがバタリーケージは、毛づくろいどころか羽を広げることもできないわずかA5サイズの小さなケージです。産卵した卵を人間が取りやすくするため、床には約8度の傾斜があり、鶏はその中で常に足を突っ張って生きています。床は金網なので爪は伸びたまま、足の皮膚もひどくただれています。

妊娠豚用檻(ストール)を使用した飼育

妊娠豚用檻(ストール)を使用した飼育

いわゆる閉じ込め飼育は、方向転換もできない自分の体と同じサイズの檻(ストール)による飼育方法です。母豚は、人口受精から115日前後、妊娠初期・中期・後期を過ごします。出産すると少し大きい分娩ストールに分けられ、20日間程度そこで過ごし子育てをします。そしてまた妊娠ストールに移されるといったサイクルを2年から3年過ごし、体が弱くなり子供を産めなくなると処分されます。母豚は一生のほとんどを、ストレスの中で過ごさなければなりません。
写真は逆に福祉に配慮された山梨の農場です。室内から外に出ることが可能で母豚と子豚は一緒に過ごせます。

アニマルウェルフェアに配慮された飼育

アニマルウェルフェアに配慮された飼育

動物たちの「5つの自由」

アニマルウェルフェアに配慮された飼育

「動物の健康=食の安全」という流れは国際社会ですでに採用されています。
世界家畜保険機構(OIE)の目的の一つとなっているだけでなく、EU理事会が、WTO(世界貿易機構)に対し貿易の際に、動物福祉に関する規制を取り入れさせる要望や、EU・米国などでは規制が始まっています。これらの運動が世界中で波及し、動物福祉に関する規制が強くなりつつあるのが現状です。

そして政治面から、社民党の福島みずほさんに登壇していただき、政治の面からお話しがありました。

国や各自治体、そして市民の連携で殺処分ゼロの実現を

社民党参議院議員 福島みずほさん

政府に対し書面で質問主意書を出しました。
内容は、日本は「愛護センター」と言いながら、「殺処分する場所」になっていること、根本的に変え「愛護センター」を新しい飼い主を探すための施設に転換するべきではないか、そして地域猫の不妊や去勢手術に関し、国が援助をすれば増えていくことにならないのではないかといった内容です。

また動物虐待に関しては、改正動物愛護法四十一条の四で、「国は地方公共団体の部局と都道府県警察の連携の強化に関し、必要な施策を講ずるよう努めるものとする」とありますが、この法律で平成24年に起訴されたのは全国でわずか16件しかありません。起訴件数が少ないのはなぜ、現状が適切かどうか、動物殺傷罪や動物虐待罪、動物遺棄罪が適切に運用されるよう施策を講ずるべきであると考えるが政府はどうしようとしているか、なども主意書で質問しています。

各都道府県の努力により、処分件数は減ってきてはいるものの、それでも年間約16万頭もの動物が殺処分されています。
私は、国や都道府県が本腰をいれてやれば殺処分ゼロは必ず実現できると希望を持っています。殺処分ゼロをどう実現するのか、政治面からしっかり進めていきたいと思います。
またペットショップは報告義務があるのですが、国は売れ残った犬猫をどうしているのかなど、その実態を調査しているのかも主意書に入れています。色々な政策をすることで殺処分ゼロは実現できます。

一方良い例もたくさんあります。国立市では犬猫殺処分ゼロを実現。滋賀県動物管理センターでは動物の収容数が過去最小。神奈川県動物愛護センターでは、犬の殺処分ゼロを達成し、網走保健所では猫の殺処分ゼロを実現しているなど、実績をあげているところもあります。このような例をモデルケースとして、うちの自治体でもこうすれば出来ると参考にしていただけたらと思います。

環境省が根本的に犬猫を殺処分する場所として予算を作るのではなく、本当の愛護センターにする決心をして、そのための施策として予算をつけ各自治体や市民と連携すれば殺処分ゼロは実現できます。

動物の権利や動物実験、毛皮問題などを取り組んでいる方たちと連携しながら、国の政策転換を大きく促すために国会で進めていきます。この主意書に対し回答がでるので、それをもとに攻略を練り環境省と交渉し、画期的なプランを出していきたいと思っています。

質問主意書はこちらから→福島みずほさん公式ブログ「福島みずほのどきどき日記

プロフィール

松田美由紀さん [69の会(ロックの会) 発起人]

松田美由紀さん [69の会(ロックの会) 発起人]

69の会(ロックの会)

3.11をきっかけに2011年6月9日に、松田美由紀、岩上安身、岩井俊二、小林武史、
マエキタミヤコを発起人として始まった環境問題、社会問題について
各界の専門家を呼び、 タブーなく話し合いながら健康的で暮らしやすい
社会をめざす人的ネットワークの会。

杉本彩さん [ 財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 ]

杉本彩さん [ 一般財団法人動物環境・福祉協会Eva 理事長 ]

一般財団法人動物環境・福祉協会Eva

Every animal on Earth has a right to live Eva=命、命あるもの(ラテン語)という意味
動物の環境と福祉の整備を図るとともに、広く国民に対する動物愛護精神の啓発に関する事業を行うことにより、人々が動物の生命の尊厳を守り、人と動物が共生することのできる思いやりのある社会の実現に寄与することを目的とします。

長井英明さん [アニマルライツセンター]

長井英明さん [アニマルライツセンター]

特定非営利活動法人アニマルライツセンター

1987年東京神奈川を中心とした地域から活動を開始。
動物虐待、動物からの搾取、動物実験、工場的畜産、毛皮生産などの非論理的扱いをなくし、動物との穏やかな共存を目指すNPO法人(特定非営利団体)です。

福島みずほさん[社民党参議院議員]

福島みずほさん[社民党参議院議員]

オフィシャルホームページ

国会では、環境・人権・男女平等・平和・雇用を5本柱に据え、幅広く活動中。
超党派で成立させたドメスティック・バイオレンス防止法や児童虐待防止法、そして労働者派遣法の改正に積極的に取り組んでいます。