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知ろう!学ぼう!

講演会 - 被災動物とペット防災を考える

先日ブリオは、「被災動物とペット防災を考える実行委員会」さん主催の、講演会「被災動物とペット防災を考える」に参加しました。
今回の講演会は、ペット防災先進県である新潟県からと、被災地福島県でご活動している方々のお話しを聞き、ペット防災について改めて考える会です。

PHOTO:高円寺ニャンダラーズ

ペット防災先進県 新潟県

「新潟県中越大震災動物救済本部活動の記録」「新潟県中越大震災 動物救済本部活動の記録」

「災害からペットを守るために」
「災害からペットを守るために」
新潟県新発田食肉衛生検査センター
所長 川上直也さんのセミナー動画
(撮影・編集/中島徹さん)

新潟県は、平成16年に「新潟県中越大震災」が発生し、孤立した山古志村(現長岡市)は全村避難になりました。村には動物達が取り残され、また動物と一緒に避難した人たちも避難所に動物が入れないことから、動物と離れた生活を送らなければなりませんでした。

このような中、飼い主さんと動物の絆を守るため、環境省と「中越大震災動物救済本部」によりさまざまな活動が行われ、その経験から、その後策定された「新潟県地域防災計画」に「愛玩動物の保護対策」を掲載し、飼育者・県・獣医師会・県動物愛護協会・市町村・動物救済本部の役割を明記しました。
そして平成19年に発生した「新潟県中越沖地震」の際には、直ちに動物保護活動を実行することができました。

震災から2年が経とうとしている今、警戒区域内の動物の話題も少なくなってきました。しかし、報道されなくなっただけで、小さな命はまだ過酷な環境と戦っています。

残された命 福島の動物に起きたこと

残された命 福島の動物に起きたこと

講演会の前半は、福島原発20キロ圏内に取り残された、犬や猫の救出や給餌の様子を、写真と映像を交え当時の説明とともに見ました。
そこには、豪雪の中ボサボサの毛になった犬がボランティアさんからご飯をもらってる姿や、やっと捕獲機に入ってくれた猫、そして首輪をしたまま
路上で息絶え、ミイラのようになった犬などの画像がありました。
人と一緒に暮らしていた動物は、お腹はもちろん空いていますが、なにより人恋しく、救助すると安心して眠ってしまうのだそう。

地震大国といわれる日本、再び日本中のどこかで大災害が起きてもおかしくありません。
「予防は治療に勝る」まさに防災も同じこと。
ここでもう一度、一人ひとりが防災と同伴避難について考え備えましょう。

飼育者の役割として

東京都 いぬ・ねこ手帳東京都 いぬ・ねこ手帳

東京都 いぬ・ねこ手帳
災害対策や連絡窓口一覧、そしてペットの記録を記載するページがあります。
詳しくは、お住まい地域の最寄りの保健所にお問い合わせください。
基本的なしつけ
(飼い主さんの指示が守れる)をしましょう
  • 人混みや他の動物を怖がらないなど社会性の確立
  • 無駄吠えしない
  • ケージに入ることを嫌がらずそこで眠れる
ペットと同伴で避難するために日常から備えましょう
  • 動物避難用品の準備
  • 平常時の備え
    (避難所の確認・ワクチン接種・繁殖制限手術など)
  • 迷子札をつけ、動物の所要を証明する

ペット防災用品

ペット防災用品リストダウンロード

迷子札は、犬だけでなく猫も必ずつけましょう。迷子札がついてない犬や猫は飼い主さんを特定するまでに多くの時間がかかります。
また今日から私たちの枕元には、停電時の転倒などをふせぐため懐中電灯をおきましょう。携帯電話の充電器も重要です。

災害を想定したトレーニング・防災訓練

地域の防災訓練に積極的に参加しましょう。災害時には、ハウスに入ったり知らない人に触られることなど日常と違う場面ばかりです。
参加することによりペットも社会性を身に付けることができます。

都道府県・市町村・団体の役割

都道府県の役割
  1. ペットフード、飼育用品の備蓄と更新 分散して備蓄
  2. 危険動物等による事故防止
  3. 被災地の動物の救援・救護
    (立入禁止地域での活動 給餌・給水・診察・治療業務)
  4. 動物飼育者への支援
    (情報提供、備蓄品の配布、一時預かり、関係者との連絡調整等)
  5. 動物救済本部の設置
    (環境省との連絡調整と救済基金受入体制構築)
  6. 譲渡事業
国・緊急災害時動物救援本部・災害時動物救済本部
市町村の役割
  1. 動物保護に対する支援
    (愛玩動物対応窓口の設置、被災地への救援受入、情報提供等)
  2. ペット同伴用避難所・仮設住宅の設置と情報提供
  3. 避難所等に対する支援事業啓発
  4. ペット同伴避難訓練の実施
団体の役割
  1. 獣医師会
    (技術支援、物資支援、人的支援)
  2. 動物愛護団体
    (県の事業等の支援・協力)

このように、飼い主さんだけでなく、行政もより具体的な取り組みを行わないと真のペット防災とはいえません。
しかし、まだ地域によって大きな差があることも事実です。
現在お住まいの地域防災計画に、動物救護に関する記載があるのとないのとでは大きく状況がかわります。
まずご自身が暮らしている地域防災計画の施策がどうなっているのか、自治体のホームページで公開されている「地域防災計画」を確認したり、役所に直接問い合わせするなど、事前に確認しておくことが大切です。
またマニュアルの策定がない場合は、災害時動物救護について盛り込むよう働きかけていく必要があります。

防災は人間だけ被災地だけの問題ではありません。
二度と災害で多くの動物が命を落とさず、また飼い主さんも悲しまなくて済むよう今から事前に備えましょう。

プロフィール

被災動物とペット防災を考える実行委員会

3.11東北大震災では、多くのペットが被災地に取り残されました。では、どうして「ペット同伴避難」ができなかったのか。逆に、どうしたら災害時ペットを守ることができるのか。
当会は「人間と動物の共生」を考えるボランティアの有志が団体の枠を超えて結成。被災動物の現状をお知らせするとともに「ペット防災」を普及する活動を行っています。

代表
藍智子(わんにゃんレスキュー隊)、三浦真美
公式ブログ
http://hisaibousai.blog.fc2.com
講演会ゲストのご紹介
会田保彦さん
公益財団法人・日本動物愛護協会理事 (プロフィール)
川上直也さん
新潟県新発田食肉衛生検査センター所長 (プロフィール)
岡田朋子さん
NDN新潟動物ネットワーク代表 (プロフィール)
大網直子さん
福島原発20キロ圏内 犬・猫救出プロジェクト
中島徹さん
ビデオジャーナリスト (プロフィール)