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Pick up!!! - ブリオのおススメ映画:犬と猫と人間と2 トーク&ワークショップ わたしとあなたにできること

先日「犬と猫と人間と2」”わたしとあなたにできること”プロジェクトさん主催の、トーク&ワークショップ わたしとあなたにできること~「犬と猫と人間と2 動物たちの大震災」を観たあとで~ のイベントがありました
このイベントは、映画を観た人、監督、出演されたみなさんがこの会場で時間を共有し、思いを語り、ここにいるみんなで「次に何ができるか」を考え見つけ、そして実践していくことが目的です。ワークショップなので、ディスカッションがメインのこの会、知らない人同士でお互いの気持ちを語り、そして相手の方のお話しも聞いて一緒に考える。普通のセミナーなどとは違い、とても敷居の高い会にも関わらず、意識の高い参加者の方々は93人にものぼりました。

第一部 トークショー

まず参加者のみなさんから事前にいただいた質問に対し、飯田監督、宍戸監督、そして出演者5名の方々が丁寧にお答えします。
その一部をご紹介します。

質問
宍戸監督へ、カメラを回し始めた頃と、映画が完成した頃、映画の上映後のお気持ちや考え方に変化はありましたか?
宍戸監督
たくさんの動物達と出会い、それぞれの個性を感じるようになりました。かけがえのなさが見えるようになりました。
質問
飯田監督へ、「犬と猫と人間と」の続編として、この映画を制作した際に苦労した点と、映画上映後の反響などを教えてください。
飯田監督
「犬と猫と人間と2」は、全体が3つに分かれています。石巻の犬や猫の話し、福島の原発の話し、そして取り残された牛の話し。それぞれが1本の映画になるほどの内容でしたので、それを1つにまとめることが苦労しました。
反響に関しては、このような素晴らしいワークショップを開催していただき、大変恵まれていると感じています。

犬と猫と人間と2トークショー

質問
撮影時から現在まで、動物達はその後どうなりましか。
菅野さん(SORA代表)
SORAでは、震災直後は犬小屋すらなかったけど、地元のみなさんに助けてもらい、今は1匹で1戸建てに住めるまでになりました。今度2つ目のドッグランも出来ます。
阿部さん(アニマルクラブ石巻 代表)
地元のみなさんが、病気になった子の治療費を負担してくれたり、保護をしてくださいました。
一方仮設住宅に住んでいる方々が、寂しさのあまりつい猫に餌やりをしてそこで繁殖をしました。「餌をあげる」ことから「面倒を見る」ということを理解していただくことが難しいです。
質問
岡田さんへ、牛の扱いは慣れましたか?
岡田さん(やまゆりファーム 代表)
もともと岩手出身の専業主婦で、それまでは一度も扱ったことはありませんでした。でも牛を放っておくことができなくて。
牛は1頭400kg~500kgあるので、初めは怖かったけど今はもう慣れました。重機の扱いもできるようになりました。
質問
こんな時は救われた、そんなエピソードはありますか。
鈴木さん(LYSTA 代表)
双葉や大熊から戻って来た時、わんこが嬉しそうに迎えてくれるとそれだけで嬉しかったです。
逆に保護できなかった日はとても悲しかったです。
質問
一般の方々に伝えたいことは。

犬と猫と人間と2トークショー

菅野さん(SORA 代表)
私達は、たまたま福島に住んでいただけ。普通の人間です。こうやって前に座って話している現状はなかなか理解できないけど、でも深く考えずに前を見て進んでいこうと思います。
吉沢さん(希望の牧場 代表)
故郷を追われた人、牛を置き去りにせざるを得なかった人、そして殺処分の心の傷、もし自分がそうなったらどう思うか…、
それをぜひ考えて欲しいです。
質問
何かアクションを起こしたいと思っている人たちに、被災動物のことについてこの映画についてどう伝えれば、どう関心を持ってもらえるかアドバイスしていただけますか。
飯田監督
前作でも「可哀相でみていられない」と言われました。しかし、このことは今伝えなくてはいけない問題です。
2年以上経ち関心も薄れていく中で、今を知らなければ未来にもつながらないと思います。
宍戸監督
以前映画を観た方から「見終わったら心が暖かくなって、家にいる猫をイイコイイ子して抱きしめたくなった。」という感想をいただきました。自分の動物、自分と暮らしている以外の動物、そして人にも優しくなれるそんな映画です。
今すぐ何かをやらねばならぬ、ではなく、自分の暮らしと映画をつなげ、災害時にどうできるか考えられる映画と伝えていただきたいです。

第二部 ワークショップ

犬と猫と人間と2

ここからは約10名1組みのグループに分かれワークショップがスタートします。

まず「動物や被災地とのかかわりや、映画を見てどんな感想を持ったか」をベースに自己紹介。現在も継続的にボランティア活動を行っている人、義援金を送った人、ガレキの処理をするため震災直後被災地に赴いた人、そして映画の中でつながれたまま死んでいた犬のシーンが忘れられない、映画を人に勧めたいがどう伝えていいかわからないなど、さまざまな思いが発表されました。

犬と猫と人間と2

その後、具体的に問題点や課題点などモヤモヤしていることをあげ、それに対し解決に向けたアイデアを考えます。
監督や出演者のみなさんも会場を巡回し、各テーブルのみなさんのディスカッションに耳を傾けます。時にはテーブルに付き、問題点・課題点について現地の状況を伝えながら一緒に考えていきます。
これまでは、テレビやネットなどメディアを通してしか分からない現地の様子でしたが、今回出演者のみなさんと、こうして間近で話せたことは参加者の方々にとっても貴重な経験になったのではないでしょうか。

犬と猫と人間と2

問題点は青の紙、それに対し解決に向けたアイデアは黄色い紙に貼られます。多くあげられた問題をまとめてみると、

  • 支援について
  • 興味関心を広め伝えるには
  • 動物愛護
  • 行政問題
  • 災害時の同伴避難について

などのカテゴリーに分けられました。

その中の1つ「興味関心を広め、伝えていくにはどうしたらいいか」この問題について出されたアイデアを一部ご紹介します。

犬と猫と人間と2

犬と猫と人間と2

など1つのテーマに対し多くのアイデアがまとまりました。中には今から行動に移せることもたくさんあります。

そして各グループの意見がまとまったら、順番に発表です。
100人近い人から寄せられたアイデアの数々は、実に内容の濃いものばかりでみなさんの熱意がうかがい知れます。あがった意見として、
ネットで拡散したあと、ネットから飛び出し路上ライブで告知しよう、動物病院や街中にポスターを貼ろう、犬猫の楽しさ素晴らしさを伝えよう、有名人の人にもっと伝達してもらおう、第2のコロちゃんを生まないようペット防災マニュアルの必要性をうったえよう、災害時に備え防災用品を用意し、しつけをしよう、などなど。

まとめ

犬と猫と人間と2

監督や出演者の方からの感想です。
LYSTAの鈴木さんは、震災があるまでは普通に仕事をし、友達と旅行や遊びに出かけていたりと、私達と変わらずに暮らしていました。震災から2年以上経ってはいますが、いまだ残された動物達に目を向けて欲しい、支援はまだ必要としてますとお話しされました。

宍戸監督は、原発問題に触れながらも、好きな太宰治の「微笑をもって正義をなせ」を信条に、これからも日々伝えていきたいと静かな笑顔でお話しされました。

今回のイベントでは、「何かをやらねばならない。」ではなく、誰にでも「やれることはある。」ということを実感できたのではないでしょうか。
動物を飼っている人なら、近所の飼い主さん友達に映画を伝える、ブログやSNSを持っている人なら、こういうプロジェクトに参加してきたことを発信する。
職業や、生活環境など、みなさん異なるので出来ることもさまざま。そのさまざまな方法で出来ることから少しづつアクションを起こすことが大切だと思います。
こちらのプロジェクトは、映画を観たところからスタートし、今はその続きです。これから実際どうつなげていくか、参加者の方々やまたこれから参加をするみなさんと模索していきます。大旗を掲げ、みなで船を進めていきましょう。

フォトギャラリー

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プロフィール

監督 宍戸大裕さん

監督 宍戸大裕さん

1982年、宮城県仙台市生まれ。宮城県名取市在住。 学生時代、本作のプロデューサーでもある映像作家の飯田基晴氏や土屋トカチ氏(『フツーの仕事がしたい』監督)が主催する映像サークル「風の集い」に参加し、映像制作を学ぶ。 学生時代の作品に、高尾山(東京)へのトンネル開発計画と、それに反対する住民による自然保護運動の姿を追ったドキュメンタリー作品『高尾山二十四年目の記憶』がある。福祉関係のNPO勤務を経て、現在は映像製作に携わる。

監督ブログ

プロデューサー 飯田基晴さん

ロデューサー 飯田基晴さん

1973年神奈川県横浜市生まれ。
96年より新宿でボランティアとして野宿の人々と関わり、98年よりビデオ、テレビ等で野宿者の状況を発表。フリーで映像制作を行う。2006年、仲間と「映像グループ ローポジション」を設立。監督作品として、『あしがらさん』(02年)、『今日も焙煎日和』(07年)、『犬と猫と人間と』(09年)、「逃げ遅れる人々 東日本大震災と障害者」(12年)。2010年、初の著書「犬と猫と人間と いのちをめぐる旅」を出版、さらに『犬と猫と人間と』のダイジェスト版DVD『いぬとねことにんげんと』(11年)などを製作。本作では構成・編集・プロデュースを務める。

阿部智子さん 「NPO法人 アニマルクラブ石巻」代表

阿部智子さん
「NPO法人 アニマルクラブ石巻」代表
宮城県石巻市で30年以上活動をつづける。捨てられた犬や猫の里親探しや、週2回不妊手術やワクチン等を実施する病院事業、動物との共存を啓発するパネル展示などを行う。現在、猫80匹余、犬5匹を保護している。

菅野利枝さん 「一般社団法人 SORA」代表

菅野利枝さん
「一般社団法人 SORA」代表
福島市内で、原発事故によって飼主からはぐれたり、避難住民から預けられた犬や猫を保護するシェルターを運営する。警戒区域で200匹余りの犬と猫を保護、現在もシェルターには犬30匹前後、猫20匹前後が避難生活を送る。県外からのボランティアも多数訪れる。

鈴木理絵さん 「LYSTA~動物たちに光と再生を。」代表

鈴木理絵さん
「LYSTA~動物たちに光と再生を。」代表
2011年設立。いわき市内で、原発事故のため警戒区域に置いて行かれた犬や猫を保護するシェルターを運営する。現在も同区域で、給餌と保護活動をつづける。シェルターには犬と猫合わせて30匹前後を保護している。

岡田久子さん 「やまゆりファーム」代表

岡田久子さん
「やまゆりファーム」代表
2012年2月、楢葉町の畜産農家を支援するボランティアグループが発足させた「ファーム・アルカディア」が前身。同年7月からは、畜産農家から60頭余りの牛を引き取り、浪江町の希望の牧場の敷地を借りて飼養を続ける。現在は岡田久子さんが農家登録をし、代表を務める。被ばく牛の終生飼養を目標としている

阿部智子さん 「NPO法人 アニマルクラブ石巻」代表

吉沢正巳さん
「一般社団法人 希望の牧場」代表
警戒区域に指定された浪江町で2011年7月に発足。「原発事故の生き証人」として、被ばくした牛350頭余りを飼養している。代表の吉沢正己さんを中心に積極的な情報発信を続け、全国の街頭や講演会などで被ばく牛を生かす意味や原発事故の責任を問い掛けている。

「犬と猫と人間と2」”わたしとあなたにできること”プロジェクト

「犬と猫と人間と2」”わたしとあなたにできること”プロジェクトは、様々な分野のプロフェッショナルが結集したプロジェクトチームです。スタッフ全員が、東日本大震災における被災動物救護の問題に、深く関わっています。
http://www.inuneko2dekirukoto.jp/