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TSUNAGUプロジェクト - 人をつなぐ、命をツナグ -

大事なのは「知ってもらう」こと

歌手 神野美伽さん

「TSUNAGUバトンメッセージ」お2人目は、前回の「一般財団法人動物環境・福祉協会Eva」の杉本彩さんから、歌手の神野美伽さんです。
譲渡会の参加や、チャリティーコンサート、オークションの参加などさまざまな活動をされている神野さんに、今私たちがすべきことは何かお話しをお伺いしてきました。

神野美伽さん

私が以前ブログに書いた日本の犬猫の1日の処分数は、確か1000頭でした。最近のデータでは、約1日700頭と減ってきてはいますが、それはボランティアの方々の努力と協力のおかげです。
愛護センターや保護センターと言いながら処分する目的のために作られた行政の施設ですから、当初愛護団体の引き出しなどはとてもわずらわしく思われ、取り掛かりはおそらくうまくいかなかったと思います。

700頭の犬猫が1日に処分され、ペットショップでは1日犬だけで1600頭販売されているということは、それ以上の数の動物が生産され、処分されているということです。
それは日本の大きな産業のひとつとして成り立っています。果たして人間の勝手な都合でこのようなことをしていて良いのでしょうか。いわゆるペットといわれる犬猫やその他の動物たちは、人間本来の心の豊かさ穏やかさを持ち合わせるために、とても大きな役割を長い時代の中で担ってきました。
彼らもそれによって生かされてきました。それがいつからか人間のおごりがとても強くなり、大きなビジネスにしてしまった。そのあたりから社会問題として今にいたります。
それにしても私たちは知らなさすぎです。大事なのは「現状を知ってもらう」こと。

このようなことを話すと「1日で700頭も処分されているの?1日で1600頭の犬を買う人が日本にいるの?」とみなさん驚きます。それで成立している産業がここまで大きくなっているので、非常に取り上げにくいこともよく分かります。でも今できることといったら、私たち消費者が正しい判断することです。
犬猫はペットショップで当然のように買うものとみなさん思っていますが、そうではない方法もあるのです。そうではない選択肢の中にいる子は、どういった理由でここにいるのかを知ってもらい、そして次に考えていただく、「これでいいのか」と。

 神野さんは、「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」の「動物愛護委員会」に所属しています。
「エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議」とは、各分野の表現者の方々が集まり、日本文化の更なる深まりと広がりを目的にしたボランティア集団です。エンジン01の活動3本柱として「政策提言委員会」「教育委員会」「動物愛護委員会」があります。エンジン01のご活動についてお話しをお伺いしました。

「動物愛護委員会」では月に1度会議があります。その会議の中で、まず自分たちが行政の施設をしっかり見ようということになり、先日川崎市の愛護センターに視察に行きました。
良い結果を出している施設を見ることで、モデルケースとして紹介し、次への広がりとつながることが目的です。獣医でもある所長さんに案内していただき、施設内部を見学しました。
殺処分場では、ここがガス室でここに薬を流したらどのくらいでどうなるとの説明も受けました。
昨年の犬の処分数はゼロですが、猫の殺処分はありました。猫をやむなく処分する時は、麻酔薬でまず眠らせ、2本目の注射で致死量の薬を使います。ガス室ではなく注射を用いてのいわゆる「安楽死」。ですが何が「安楽死」なのか私は疑問を持つべきだと思います。それを所長さんに投げかけたら、「全く私もそう思います。やっていることは何ら変わりません。人間の主観で猫が苦しまないよう、眠っているうちに亡くなって欲しいだけであくまでも人間が殺しているのです。
僕は動物を助けたり怪我を治したりするために獣医になりましたが、今は動物を殺さなければならないのです。」とおっしゃっていました。

そんな中、センターでは、地域の動物愛護ボランティアとコミュニケーションをとることで、さまざまなことを職員のみなさんは学んだそうです。そこにいる犬の中には、ひどい環境の中人間に虐待され心にキズを持っている子や、また長い間排水溝に落ちていた子もいて、人間の目をなかなか見ることができません。ただそこからやみくもに引き出し里親になって下さいといっても、その後問題が起きることは分かりきっています。ですので施設の中でまずトレーナーがトレーニングをしてから里子に出します。
ボランティアさんの力を借りるにしても、自分たち職員がどこまでやれば、より助けてもらいやすくなるかということを努力して考えているんですね。だからやはり上に立つ方の考え方によって施設そのものが変わっていくし、同じ行政でもそこに気付けば与えられた環境の中でできることはたくさんあります。
センターでは、市の獣医師会の医師やボランティアさんが、センター職員のみなさんと色々なことを話し実にコミュニケーションがよくとれています。今回は奇跡的に犬の殺処分がゼロでした。その「ゼロ」そのものだけを取りあげられると、果たして次もまた「ゼロ」にすることができるのか、その厳しさを所長さんは分かっています。今回はみなさんの協力でこの結果が出ました。ですが同時に努力すれば結果はきちんとついてくるということも分かったそうです。
この秋には川崎でイベントもあります。そこで01メンバーである私たちのペットの写真や、クリアファイルなどのグッズを作って呼びかける予定です。顔が分かる人が登場し呼びかけることによって、多くの方に動物のことを知ってもらえるので、ぜひ私たち01メンバーをうまく使っていただきたいと考えています。

これまで私たち芸能人は、自分の意見や信念を仕事以外で言うのはタブーでした。どちらかと言うとあえて言わない方がいいという風潮です。動物のこともそうです。
最終的には国が動かなければいけませんが、実際、出来ないこともたくさんあります。だからこそ私たちが早急に考えるべきだとぶつけていきたいのです。演歌を歌ってる一歌手が、これは国にやってもらうことですなんて今まで言う人はいなかったと思います。でも私は黙っていられません。もうこのことに関してもっと声を上げて変わっていかなくてはと思います。

そしてこれは子どもたちの教育にも関係する大事なことです。動物の命をこのように扱う大人とその時代に育つ子ども。動物をいじめることが「虐待」という自覚もなければ言葉も知らないまま、その行為がエスカレートし、場合によってはその行為が人間に及ぶこともあります。
ペットショップにやってきた親子が、「サマーセール」と張り紙が付いているウィンドウから犬猫を抱っこさせてもらった時、この子たちがどういう環境でどう生まれてきたのか、売れなかったらどうなるかというところまで考え、情操教育のひとつとしてこれからは真剣に取り組むべき問題だと思います。

神野さんのお宅には、ミニチュアダックス×チワワのミックス犬ハナコちゃんと、自由が丘ドッグレススキューから譲渡したチワワのウメコちゃん。
そして名古屋からやってきたアメショーのモナカちゃんと、杉本彩さんが東北から車で引き取りその後譲り受けたチィちゃんの、犬2匹猫2匹がいます。
ご自宅での様子をお聞きしました。

ご自宅のプライベートショット
手前:ハナコちゃん、奥:ウメコちゃん

チィちゃんだけ団体生活にすぐに入っていけず時間がかかりましたが、今ではモナカもチィも犬化して並んで仲良く寝ています。ウメちゃんは繁殖場で子どもを産んでいました。散歩に行くわけでもなく狭い場所でずっと過ごしていたので、骨も弱いし筋肉も落ちています。
また首に障害があり、些細な衝撃でコクっと折れ曲がり窒息死してしまうくらいぐらぐらの首をしていました。でもこの子は必ず良くなると信じて連れてきたので、一時我が家の庭をトコトコこ走ったのを見た時には本当に嬉しくて嬉しくて!今は手足の麻痺が始まりあまり体調はよくありませんが毛艶や目の輝きはとてもいいです。人に興味をしめさずただじっと見るだけだったウメちゃんが、今では全く違って、自己主張もするし甘えるしすごくグルメになりました(笑

ウメコは命が繋がったけど、産めなくなると簡単に処分される子はいっぱいいます。動物と直接の関係はありませんが、01(ゼロワン)は6年後の2020年東京オリンピックを一つの目標として「殺処分ゼロ」に向けて活動と発信をしていきたいと思います。

プロフィール

神野美伽さん

神野美伽さん [歌手 ]

圧倒的な声量と歌唱力で1984年デビュー。1987年、2003年にNHK紅白歌合戦出場。演歌のみならずシャンソンや民謡も歌い上げる実力派歌手。
趣味は、芝居・歌舞伎鑑賞、読書、骨董。

神野美伽 オフィシャルウェブサイト : http://www.shinno-mika.com/
神野美伽オフィシャルブログ「SPICE UP MY LIFE」 :http://ameblo.jp/mika-shinno/

※オフィシャルブログ内の「ハナコのしっぽ」は、小さいお子さんと一緒に読んでいただける全文ひらがなの素敵な記事です。
「ハナコのしっぽ」 : http://ameblo.jp/mika-shinno/entry-10431638316.html

神野美伽さん エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議
エンジン01(ゼロワン)文化戦略会議は、各分野の表現者・思考者たちが日本文化のさらなる深まりと広がりを目的に参集したボランティア集団です。日本は既に誇るべき文化を持っていますが、新しい文化が生まれ育つ土壌がありません。それを築くための方法論を議論し、実際に仕組みとするために行動する場です。