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TSUNAGUプロジェクト - 人をつなぐ、命をツナグ -

最期まで責任を持った飼育を

女優 浅田美代子さん

「TSUNAGUバトンメッセージ」3人目は女優の浅田美代子さんです!
日ごろから動物愛護の講演会や、繁殖業者から犬たちを救い出すレスキュー活動、また小学生や中学生に向けて開催している「いのちの教室」など、
さまざまな活動に積極的に参加されている浅田さんに、現在のペット業界と、2014年秋に起きた「犬大量死遺棄事件」についてお話しをお伺いしてきました。
改正動物愛護法についての説明も交えながらご紹介いたします。

浅田さん

浅田さん

現在日本では、ペットの数が15才未満の子供の数を上回っています。そのペットブームの裏では、人間による無理な繁殖により犬猫が常に余っている状態です。
原因の一つとして、ただ可愛いというだけでペットショップで飼おうとする人に対し、店側は「ローンでいいですよ。お散歩は行かなくても大丈夫ですよ」など消費者に安易に動物を飼わせます。
ですが実際飼ってみると可愛いだけでなく、しつけが出来なくて、「家の中が汚なくなるから」などの理由で安易に捨てる人が後を絶ちません。

ペットショップはただ売るだけでなく、動物を飼うことの手間や飼育する際の注意点など、飼い主になる人に教えるべきではないでしょうか。(動物愛護法では、犬猫等を販売する際の現物確認と対面説明が義務付けられています。)
動物を飼うことは、手間ももちろんのこと、15年や20年の間健康であったとしてもご飯代やワクチン代、ペットサロンなどお金は常にかかります。まして病気や怪我、そして手術などをしたら更に高額な費用がかかるので、きちんと最期までみることができないなら動物を飼わないでほしいと言いたいです。そういう覚悟のない方に限って、手放したあと次はあれを飼うんだとまるで「ぬいぐるみ」のように命あるものを扱います。

動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました
動物の愛護及び管理に関する法律が改正されました(PDF) - 環境省

そして1番悲しいのは、年をとって歩けなくなったから、病気になって面倒を見られないからと老犬を捨てることです。10何年一緒にいたのだからお願いだから最期までみてあげて欲しい心からそう思います。
またペットショップがご高齢の方に簡単に犬を売ることも問題です。大人しい犬ならともかく、ジャックラッセルテリアの仔犬を「そんなにお散歩いらないですよ」などと言って売ることは、その先に何が起きるか想像がつくはずです。
中には娘夫婦が自分たちが一緒に住んで上げられないからと高齢の親に犬をプレゼントするケースも。その親がホームに入ったり亡くなった時に、飼っていたその犬を家族が引き取らないためその子はセンターに持ち込まれます。今後高齢者に売る場合は、もしもの時を考え譲渡先となる後見人が必要ではないでしょうか。

(上)川崎市動物愛護センター訪問 /(下)ハワイのシェルター訪問

私は21歳と最近では20歳の犬を看取りました。ですから私が老人になったら自分の残りの時間を考え自分が面倒見られる年齢の保護犬を引き取ろうと思っています。仔犬からだと最期まで面倒見られないかもしれませんし、もちろんその時には行き先は決めていますが私が全て看取ってあげてそして私も終わりたいと思います。

それと動物愛護団体さんの譲渡条件が、60歳以上は譲渡不可など厳しいところもあるので、結局そういう方が何もうるさいことを言わないペットショップで買ったりすることもあります。団体さんは保護した犬達を再び不幸にさせたくないと思っているので気持ちは痛いほど分かりますが、その譲渡希望者の背景をもう少し考慮していただいて、60歳を過ぎていても息子夫婦が近くにいるから大丈夫など、そのあたりのバランスも考えていただけたらと思います。

センターに行くと、癌の腫瘍がぽっこりある子が捨てられたりしています。犬にも気持ちがあるし、しかも高齢の犬ほど察していて、それで「僕は捨てられた、もういいや。」と分かり、センターに入ってすぐ亡くなったりします。
何とか助けようと思ってあと3日どうして頑張っていてくれなかったの?と思いますがでもあの子たちは敏感に分かるものなのです。

きっとその場所の匂いと周りの犬の声に、ここは普通に犬がいる場所じゃないと感じるのだと思います。うちの犬もパソコンでそういう映像を見ていて音声が出ると、普段外で犬が吠えているのを聞いた時の反応とその時は明らかに違います。特に彼女(アヴィちゃん)はセンターにいたから悲痛な雰囲気を感じ取るのかも知れませんね。

bullio

昨年(2014年)の10月から続いた犬の大量死事件は、まだ記憶に新しいと思いますが、あの事件の背景についてどのようにお考えでしょうか。

浅田さん

今度の2017年の法改正を待つのではなく、今きちんと規制をしないとますます繁殖業の崩壊が多発し闇に葬られる子が多くなります。殺処分数は年々減ってきてはいますが、それは団体さんが頑張っていて、悪徳繁殖業の闇の世界は増えています。

bullio

しかも殺処分数は公に発表されていますが、ペットショップに並ぶ前の流通経路や繁殖場(パピーミル)では更に多くの命が失われていてそれ自体行政は把握していませんよね。 改正動物愛護法では終生飼養は飼い主だけでなく犬猫等販売業に係る業者にも義務づけられていて、販売が困難となった犬猫の扱いに関しても犬猫等健康安全計画を立てそれを守る義務がありますが、なぜ法律に盛り込まれているにも関わらず、悪徳繁殖業というのが増え続け、そして今回の犬の大量死事件が起こったのでしょうか。

bullio

ペット流通の図

浅田さん

前回の法改正で立ち入り検査が出来るようになりましたが、結局国が各都道府県の自治体に任せているのでその自治体が動かなければ取り締まれません。自治体・保健所が動けないなら愛護団体やボランティアと協力し、ここは不適合などと言うことも出来ると思いますが、時間がない、人員が足りないと動くことができないため野放し状態が続いています。

memo

「殺処分ゼロ」という言葉もだいぶ認知されてきましたが、センターでの殺処分がゼロになることが最終ゴールではありません。今回の犬の大量死事件に対し、昨年9月施行の改正動物愛護法により、業者からの引き取り依頼を行政が拒否できるようになったことが原因かと報道されていますが、それだけが問題ではなく、もともと流通経路に乗る前からあたり前のように犬を業者が処分してきたことが、たまたま今回事件として顕在化したのだと思います。生体小売業というビジネスモデルのあり方自体が変わらないと、この先「大量消費」→「大量生産」の構図は変わりません。どの業界でも形ある商品には在庫、賞味期限切れ、不良品というものが存在します。命が商品になっている以上、在庫、賞味期限切れ、不良品とは命のことなのです。

浅田さんはこういいます。
「この子は明日処分です。どなたか命をつないでください」と毎日どこかしらで命の期限の記事を見ます。全ての子を助けることは出来ないし本当にそれを思うと辛くなりますが、自分の出来ることは生きているうちにやっていきたいと思います。

ペット問題は、繁殖ブリーダー、ペットショップ、飼い主、行政、法律、取り締まりと様々な要素が絡み合い、どこもみな問題と改善の必要があります。 私たちにできることは何か、ペットの命が人間の商売のために大量に生産され大量に殺される現実に疑問を持ち私たち一人ひとりが「考える」こと、それも私たちにできることの一つなのではと思います。

H-E-L-Pキャンペーン動画

アヴィさん / チャメさん / ダイアさん / COOさん

アヴィさん
処分寸前のセンターから、浅田さんのはじめての保護犬。
チャメさん
鹿児島のセンターから。シートの認識がなかったのでおそらく外飼いの番犬だったそう。
ダイアさん
ブリーダーから
COOさん
真夏の屋外で100匹ほどが放し飼いだった劣悪多頭飼育から。人馴れしてなくずっと縁の下でうなっていたそう。引き取り手を見つけるのが難しそうだったため浅田さんが預かった。ぼろぼろで汚れていたため5、6歳かと思い病院で診てもらったところ歯が真っ白でおそらく生後1歳くらいとのことだった。COOさんのお名前は、浅田さんが好きな本、景山民生さんの「遠い海から来たCOO」から。

プロフィール

浅田美代子さん[ 女優 ]

浅田美代子さん[ 女優 ]

東京都出身。B型。東京都女学館高等部在学中にスカウトされる。
1973年、ドラマ『時間ですよ』でデビューし、劇中歌「赤い風船」は大ヒットし、日本レコード大賞で新人賞を受賞。「寺内貫太郎一家」「時間ですよ・昭和元年」、映画「釣りバカ日誌」シリーズなど、映画、ドラマ、バラエティと幅広くご活躍されています。 フジテレビ「残念な夫」毎週水曜22時~放送
テアトル・ド・ポッシュ